エンジニアコラム

原 常典 原 常典

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電子負荷装置の便利な使い方_03

2017.01.16

電子負荷装置の便利な使い方(2)

非線形モード編

電子負荷装置の「不都合な真実」

当社の電子負荷装置の基本的な動作モードには、下記(図1)のようなものがあります。 そして被試験物や試験する内容に適した動作モードを「択一」で設定し使用するのが基本です

定電流+定電圧、定抵抗+定電圧というモードを持つ製品もあります。

実はここに言ってはいけない「不都合な真実」が隠されています(笑)。電源や電池、またDDコンなどの試験には、電流を消費する実負荷(回路)に相当する「ダミー」が必要で、電子負荷装置の普及以前は、摺動抵抗器や消費電力の大きな電球、電熱器などが使用されていました。しかしそれらでは、負荷変動試験など動的な試験が難しいことや、なによりも実負荷のふる舞いとは挙動が大きく異なるため、精緻な動作検証ができないという不便さがありました。

そこで「実負荷に近い動作」ができる回路構造を持つ装置があると便利だということで、電子負荷装置が考案されました。当初の電子負荷の動作モードは、定抵抗(CR)と定電流(CC)の2つでしたが、その後二次電池電池の試験に必要な定電圧(CV)や定電力(CP)が加わり、この4つが電子負荷装置の基本的な動作モードとなっています。

ところがです。電子負荷装置であっても、前述のように「実負荷に”近い”動作」になります。実負荷とはやはり違うのです。実際の負荷の多くは「一定のモード」で動いているわけではありません。最初は定電流動作だったものが、電圧がある閾値を越えると定電圧動作に変わる等、複合した動きをします。実は動作モードとは、試験物に応じた動作ではなく、電子負荷装置の回路の都合でそうなっているわけです。

洋服にはS、M、Lといった既成サイズがあります。それがジャストサイズだという人もいますが、ちょっと合わないけど「まぁ、着られないことはないから、これでいいや」という人の方が実は多い。電子負荷装置の動作モードも、これに似たようなところがあって、選択肢を示すことで対応している素振りを見せてはいるけど、実は供給者側の都合でそうなっている・・・(あぁ、こんなこと書いていいのかな?)。
もちろん、これが全く不誠実な態度と言いきれるものでもなく、条件を(最大公約数的に)集約することにコスト的な優位性があったり、設定条件をシンプルにすることでの「使いやすさ(わかりやすさ)」もあったりと、現状の製品群でも十分実用的であるというのも事実です(と、一応フォロー)。

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