エンジニアコラム

神崎 信夫 神崎 信夫

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交流電源がオーバーロードで上手く試験できない時

2017.02.27

交流電源がオーバーロードで上手く試験できない時

トランス負荷は「磁束飽和」に注意

電源変動とトランス負荷

電源変動試験は一般に商用交流電源を電源とする各種機器の誤動作の有無を確認するために行います。
電源変動試験にも、瞬時停電、電圧降下、高調波印加試験など多種あります。特にトランスを用いた電源を内蔵している機器、または途中に昇圧トランスなどを挟んで試験している機器に対して瞬時停電試験を行う場合、設定条件によっては、トランスに過大な電流が流れる(交流電源がオーバーロードとなって上手く試験できない)場合があります。ここでは、その過電流が流れる原因、および、過電流が流れないようにする設定条件などについて説明します。

過電流が流れる場合とその原因

試験システムの構成図を(図1)に示します。

(図2)は交流電源PCR-LEシリーズで瞬時停電をおこし、発生した過電流の波形です。(a)の瞬時停電は完了していますが、次にマイナス側のサイン波が来たときに(b)の様に過電流が発生していることがわかります。

その原因はトランスの磁束飽和が(b)のタイミングで起こるからです。つまり、トランスの磁束は(a)の瞬時停電がなければサインの山によりリセットされるところが、停電によってリセットされず、マイナスの磁束が残った状態になってしまっています。
そこに次のマイナスのサインの山が来ることによりさらに磁束がマイナスになり、飽和磁束密度を超えてしまい、ついには励磁のインダクタンスがほぼゼロになり、インダクタンスがなくなるので、(b)の様に過電流が発生しています。(図3を参照)

図3

その後、電流電圧の暴れがありますが、これは交流電源の電流制限(ocp)によって電流制限がかかったりかからなかったりするため変動しています。

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