エンジニアコラム

矢島 芳昭 矢島 芳昭

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計測トラブルバスターY氏の事件簿

2017.03.13

計測トラブルバスターY氏の事件簿(1)

Mission1:通信エラーの原因を追え!

対策実験

耐電圧試験器の出力電圧を0.5kVにして実験してみました。

図5 対策前の電流波形

(図5)は、耐電圧試験器の出力をそのまま短絡した場合の電流波形です。絶縁手袋をはめ、手作業でバシッと短絡しているので、チャタリングが発生し細いパルスになっています(危険ですので真似はしないでください)。
波形でも分かる通り、3A近い細いパルスが発生しています。
ところで「耐電圧試験器は110mAしか流せないのでは?」と思った方は鋭い!110mAは実効値電流ですが、このパルス電流を流すもとは試験器内部の平滑コンデンサです。コンデンサなので溜まっている電荷があれば短時間ではあるものの、負荷インピーダンスが低ければ低いほど電流が流れます。

これに対して470Ωを通した場合のノイズ発生の仕方です。

図6 対策後(470Ωあり)の電流波形

図6 対策後(470Ωあり)の電流波形

(図6)の通り、約1A以下に抑えられています。これは、抵抗の挿入により耐電圧試験器内部のコンデンサに溜まっている電荷が一気に放出するのを防ぐことで、放電時間は伸びるものの振幅を抑えることが出来ているためです。

この対策を行うことで高い周波数のノイズ成分が減ってUSBケーブルに乗るノイズが少なくなり、結果としてエラーが減ることがわかりました。実験では、抵抗なしの場合、5回中4回は通信エラーが起きるのが、抵抗ありだと20回やってもエラーが起きませんでした。実験ではわざと高圧ケーブルとUSBケーブルを沿わせて配線し、エラーが起きやすい条件を作り出していますが、実際にお使いの場合は取扱説明書に従って、高圧ケーブルとUSBケーブルは十分に離してお使いいただければ、エラーはさらに起きにくくなります。

最後に

製品を上手に使うには、実際には様々な知識が必要になります。トラブルが起こったときは大変ですが、このように一歩一歩詰めていけば必ず解決できます。焦らずに順を追って考えていく習慣を身につけることがポイントかなと思います。
以上、計測トラブルバスターY氏の事件簿(Mission1)でした。

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