エンジニアコラム

石川 石川 隆宏

0 0

伝わる図面を書く

2017.11.13

伝わる図面を書く

図面を片思いのラブレターにしない

私達の業務は、顧客の要求仕様を基に設計し、製品を組み立てていきます。その過程で「図面を書く」という仕事は、非常に大事な要素を有しており、私は特に注意を払っています。
なぜなら、図面の出来具合は、製品工程に大きな影響を与え、また改修があった場合には、設計及び作業効率にも関係するからです。 そこで、私が図面作成に対して、なぜ注意を払うようになったのか。その元となった2つ出来事について、お話したいと思います。

我流の表記ルールはNG

一つ目は、製品の機能追加が発生したことによる配線改修でした。改修内容は、単純に配線の追加、またはそれまであった配線を撤去するだけというもので、特に難しいことではありません。しかし、いざ改修を行おうとした時、現場で問題が発生しました。配線を追加することはできるのですが、撤去する配線が分からないとの報告が。出向いて詳しく調べてみると、製品を組み立てた当時、私の制作した電気配線図面の分岐点が全て「・」印で表記、つまり分岐箇所を明示していなかったため、分岐の判断は配線業者がしていたのです。(図1)。

(図1)電気配線図面誤表記の経緯

それから数年たった今、改修しようにもどこから配線を分岐させているのか、当の業者本人も分からない状態に。「・」印は主にシステム全体を表す構成図等で、システム内の各ブロックが並列に繋がっていることを表現するために、使用されることがあります。しかし、電気配線図面で使用してしまうと、どこから配線を分岐させるかまでは表現できません。例えば、入力側端子台から分岐させるのか、または出力側の端子台から分岐させるのか等です。電気配線図面において、配線の分岐を表すには、分岐させたい箇所から斜線で引出す必要があります(図2)。

コラム40_図2

(図2)電気配線図面における分岐の正しい表記

なぜ「・」印を使用し図面を製作してしまったのか、どこからかコピーしてきたのか?、はたまた付き合いの長い配線業者だったために過信して、配線しやすいように任せたのか、今となっては原因の特定すらできません。結局、配線の分岐点を確認するため、撤去する必要のない箇所まで配線を外すこととなり、改修作業を行う担当者には大変な迷惑をかけてしまいました。

この失敗から学んだことは、図面を書くためにはルールが定められており、そのルールを守らないと苦労することになる、といったノウハウ的なことでした。この経験を経たことで、付き合いが長くとも業者任せにせず、効率良く配線を行うために、部品の実装位置を確認し最短距離で、また影響を受けそうな配線との離隔等を考慮するといった、当り前のことをより強く意識し、自分で考え指示をするようになりました。

本サイトの閲覧には会員登録(無料)が必要です。

会員登録はこちら

×