エンジニアコラム

高橋 典夫 高橋 典夫

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大掃除で摘めた失敗の芽

2017.12.25

大掃除で摘めた失敗の芽

相回転が想定外だった話

昨今、カセットテープやフィルムカメラといった、アナログテクノロジーが復活するニュースを耳目にします。この流れに乗って、シリーズドロッパ方式の復権を企みたいアナログ電源の求道者こと、高橋です(笑)。
さて、今回も私の「ひよっこ」時代のお話です。年末の恒例行事といえば大掃除ですが、毎年大掃除を迎える時期に思い出す出来事があります。それが「相回転(そうかいてん)」にまつわる失敗談です。

シリーズドロッパ電源の効率改善

かれこれ25年以上昔の話になります。そのころはまだ、スイッチング電源が主流ではなく、試験用直流電源としてはシリーズドロッパ方式が全盛。そして当時の設計課題のひとつに「出力定格以下での効率改善」がありました。トランスの出力をそのまま使えば、力率は良いのですが、低い出力電圧時に、制御トランジスタにかかる電圧が大きく、損失が大きくなり、効率が悪くなります。

出力電圧や入力電圧の変動に影響されず、制御トランジスタにかかる電圧を一定最小限にして、損失を抑えるよう制御するのが位相制御回路ですが、導通角を狭めて電圧を下げるため、低い電圧では、力率が悪かったり、高調波電流が流れたりします。制御トランジスタの損失が一定であれば、トランスの出力電圧は、フルに使った方が良いのです。

移行型三相フルブリッジを試案

古の先人たちは、トランスの電圧がフルになるように、トランスのタップを切換えて、段階的に力率を良くしたり、トランスの出力に合わせて整流方式を変えて、段階的に電圧を変えるなどの手法を取ってきました。そこからヒントを得て、私は移行型三相フルブリッジの位相制御を検討することにしました。

三相の位相制御を、電圧の低い時は相電圧を使った三相ブリッジで整流し、電圧が上がってきたら、三相ブリッジを全導通させて、OFFさせていた下側のSCR(サイリスタ)を動かして、線間電圧を制御するフルブリッジに移行する回路です。設計は順調に進み、(図1)の消費電流グラフのように、中間域の出力電圧に対する効率改善を確認できました。

図1 消費電流グラフ

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